株式投資で損失が発生するのはなぜ?

株式投資で損失が発生するのはなぜ?

株取引では、株式を購入した際の金額と株式を売却する際の金額の差によって、利益や損失が発生します。株取引によって損失が出るのは、株式を購入した時の金額より株価が下がった時に売却した場合です。株式の取得金額から売却金額を引いた数値に、株式の数を掛けたものが、損失額になります。
ただし、実際にはまだ売却していないけれど、売却したら損失が出てしまう、という状態を「含み損」といいます。含み損は、損失が確定していないため、売却した時に初めて資産が減少します。含み損の状態では、これから株価が上昇すれば損失がなくなる可能性があるため、損失には含めないこともあります。

 

株価は様々な要素によって変化するため、株価が下がる要因を突き止めるのは難しいのですが、一般的には企業業績や経済情勢によって左右されます。もしも、株式を発行している会社の業績があまり振るわず、予想よりも利益が少なかった場合は、多くの人がその会社の株式を売ろうと考えます。そのため、株価が下がります。
また、企業の業績とは関係なく、経済情勢によって株価が左右される場合もあります。例えば、アメリカの景気指標が予想より悪いと、アメリカに物を輸出している企業の株価が下落する、などといったことがあげられます。

株で損をしやすい人はどのように投資するのか

"株で損をしやすい人には、共通する特徴がいくつかあげられます。最初に、所有している株式を適切なタイミングで「損切り(ロスカット)」をすることができない、という特徴です。株価が取得時よりも下がると、含み損という未確定の損失が発生します。
含み損が発生した時に、「これから株価が上がるかもしれない」という期待から、ロスカットをせずにそのまま株式を所有し続けてしまうと、さらに株価が下がり、結局損失が拡大してしまうこともあります。

 

損失の発生を過度に恐れることなく、「株式を保有し続けるメリット」と「今売却して損失を確定させるメリット」を比較することができないと、損をしてしまうことになります。
また、すぐに利益を出したい、という考えが強いという特徴もあげられます。株式投資ですぐに利益を出すためには、株価の値動きが激しい銘柄を買いがちです。

 

値動きの激しい銘柄は、上昇すれば大きな利益を手に入れることができるのですが、一方で下落する場合の下落幅も大きいため、失敗した場合の損失額も大きくなりがちです。
長期的な視野で利益を出すのではなく、短期的に利益を出そうと考えていると、リスクの高い銘柄に手を出してしまって、結果的には損失となる可能性も高くなります。

どうして大損を発生させてしまうのか

行動経済学の用語で、「プロスペクト理論」というものがあります。プロスペクト(prospect)は「見込み・可能性」という意味の英単語です。プロスペクト理論は、利益と損失が同じ金額だけ発生した場合に、利益を得た喜びよりも、損失が発生したということに対する印象のほうが強くなってしまう、という人間の性質を説明した理論です。

 

大損をしてしまう心理としては、このプロスペクト理論が関わっています。利益が発生している(含み益)状態では、人間は損失を回避する方向へ合理的に判断することができます。一方で、損失が発生している(含み損)状態では、損失が発生しているという事実を過大評価してしまい、損失をなんとしても避けなければならない、という心理が働きます。

 

損失を回避するための方法として、例えば同じ会社の株式を新たに購入して平均の購入価格を下げることによって、見かけの損失幅を減らしたり、損切りをせずに株式を保有し続けて上昇するのを待ったりする、というものがあります。
このように、実際に損失を確定させることに対して強く抵抗を感じる心理が働くため、合理的な判断ができなくなってしまう傾向があるのです。このような傾向を持っているために、損失が発生していたとしても、それを確定することができずに、損失が拡大してしまうのです。

大損しないために大切な考え方

大損をしないために大切なことは、損切りの重要性を理解するということです。これ以上株価の向上が見込めないとわかったら、損失が発生するとしても損切りしてしまうのが大切です。
ですが、投資をする前は損切りをしっかりしようと考えていても、実際に株式に投資している段階では、損失を確定したくないという心理が強く働いてしまい、損切りできなかったり、タイミングを逃してしまったりすることもよく起こります。

 

また、含み損が発生している株式を買い増して、かえって損失を増加させてしまうことも起こりかねません。

 

その対策として、銘柄を決めて購入する前に、「いくらまでの損失であれば許容するか」そして「いくら以上の損失が発生したら売却するか」を数値として決めておくことをおすすめします。

 

株式を購入する前と後では、どうしても心理状態が変化してしまいがちです。
ですから、株式を購入したあとは、事前に決めた基準に従って機械的に損切りできるような体制を整えておくと、大損するのを防ぐことができます。