株の信用取引を解説

株の信用取引を解説

株などの金融商品を取り引きする際、信用取引と呼ばれる手法を用いる事が出来ます。
特にFXなどではレバレッジと呼ばれる手法により取引を行い、莫大な利益を出した、あるいは甚大な損失が出てしまったなどといった話題がネット上に挙がりやすいです。
この信用取引、既に株をやっている方にとってはもちろん、これから始めようという方にとっても必須の知識となりますので、まずシンプルに理解しましょう。

 

概要を簡単に言いますと、ご自身の所有している証拠金や株を担保とする事で、手元の資金総額の最大3.3倍の言わば仮想資金によって取引が行えるというものです。
例として、現在証拠金として100万円の資金を所有しているとします。
これを担保にし、最大で330万円の資金で取引していけるという事なのです。

 

後述しますがメリットがあればデメリットもあり、そもそも信用取引が許されるかどうかの審査も証券会社毎の審査基準があり、誰もが利用出来るものでもありません。
ご活用をお考えの際は、証券会社の信用口座開設に関する審査基準などをチェックし、お申し込みを行う事が必要となります。
では具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょう?

信用取引が持つ、大きなメリットと可能性

株というと、やはり利益を上げるまで時間が掛かりがちですし、少額の取引では株をやっている事のメリットを感じられる程の利益を出す事は、短期間であればあるほど難しいというのが一般的見解です。
ですので、元の資金の3.3倍の資金を運用し、短期間でもより大きな利益を得られる事は大きなメリットです。
仮に株の取引による利益分で生活していく事を考え、1000万円の証拠金を用意したとします。

 

年間で10%の利益が出せる実力を持っている方であっても、信用取引を活用しなければ年間で100万円の利益にしかなりません。
しかし、信用取引によって最大の3.3倍の利益に変える事が出来れば、年間で330万円の利益となり、これだけで生活していく事も可能と言える金額が見えてきます。
このケースのように、信用取引を活用する事でライフスタイルがガラリと変わるような状況にある方ほど、そのメリットを強く感じやすく、活用しようと決断しやすい傾向にあります。

 

またそれ以外のメリットとして注目したいのが、現物での長期保有を狙っていた株が値下がりし、今買えば長期保有による利益を出しやすい状況に遭遇した時の活用です。
こういった状況で、もしも手元の資金が約定代金に届いていなくとも、信用取引を使う事によって購入する事が出来る可能性があります。

 

その後、手元の資金が増えた段階で完全なご自身の資金でこの株式を引き取る「現引き」と呼ばれる決済方法を取る事により、狙っていた株式の長期保有が可能となります。
この状況を予め想定しておき、信用口座を開設しておくのも1つの手だと言えます。

 

このように、信用取引を活用すれば本来出せない利益を出せたり、現状では手の出せない金額の株式を購入して有利な長期戦略を取れるなどのメリットを享受出来るのです。
しかし、当然オイシイ側面ばかりではありません。
信用取引はそのメリット以上に、デメリットをこそしっかりと把握しておかなければならないのです。

大きくなるのは利益だけでなく、損益も?

まず信用取引のデメリットとして、誰もが被る事になるものがあります。
それは「金利」です。
信用取引という言葉で表現されてはいるものの、資金以上のお金を使うという事は、別の言い方をすれば借金をするという事なのです。
お金を借りるのですから、当然金利を支払わなければなりません。

 

利率に関しては証券会社毎に異なりますので、事前によく調べてからご活用される事をお勧めします。
これがまず1つ目のデメリット。
そして続いて解説する内容こそが、信用取引における最大のデメリットと言えます。
それは破産もありえる程の、甚大な損失を出してしまう可能性を含んでいるという点です。

 

例として、資金100万円で3倍の信用取引を行う形で考えてみましょう。
信用取引を活用して、ある銘柄の株式を300万円分購入したとします。
この株式が10%値上がりすれば30万円の利益となりますが、もしも50%値下がりした場合はどうなるでしょう?

 

少々極端な例ではありますが、あり得ない事ではありません。
この時、300万円分の株式を所有していますので、マイナス150万円の損失を被る事となります。
マイナス150万円...これは手元にある本来の資金100万円を割ってしまっています。

 

つまり、50万円分の借金が生まれてしまっている事になるのです。
メリットの部分では、利益が大きくなる可能性を説明しましたが、同時に損失も大きくなるリスクを持っているのです。
月並みな表現ではありますが、まさしくハイリスク・ハイリターンと言えます。

損失が出た場合に支払う事となる「追証」とは何か?

信用取引について勉強を進めていくと、「追証」という言葉を目にする事となります。
前述した信用取引のデメリットと関連性の高い言葉で、こちらもメリット以上にまず認識しておかなければならない仕組みとなっています。

 

簡単に言いますと、信用取引を行っている中で保証金が減ってしまったり、あるいは信用取引を活用して買った株が大きく値を下げてしまい、保証金からその損失分が差し引かれた際に発生する「追加で入金しなければならない保証金」です。
例えば100万円の保証金を用意し、ある銘柄を300万円分購入したとします。
この時、まず証券会社によって「最低保証金維持率」というものが設定されています。
多いもので20%。

 

つまり信用取引に使った300万円の20%に当たる、60万円分の保証金は絶対に維持して下さいという事なのです。
パターンその1として、保証金としてある銘柄の株式を用意していましたが、その銘柄自体が大幅に値下がりしまい、保証金の合計金額が60万円を切った場合に、追証が発生します。
例えばこの時、保証金の合計金額が50万円となってしまった場合、10万円の追証が発生します。
パターンその2として、300万円分購入した銘柄が値下がりし、250万円分になってしまったとします。

 

この時、含み損である50万円分が保証金から差し引かれます。
という事は、パターン1と同じく保証金は50万円になってしまっていますので、この場合にも10万円の追証が発生する事となります。

 

追証が発生した場合は翌々営業日の15:30まで、あるいは証券会社により保証金維持率が10%を切った場合は翌営業日の11:30までなどに、解消する義務が発生します。
解消の方法は現金で支払うか、未決済の株式を決済して追証の支払いに充てなければなりません。
もしも追証が期日までに解消出来なかった場合は、証券会社によって取引が決済される事となりますので、保証金の増減や追証が発生しないかどうかについて日々注意を払わなければなりません。